吉野石膏株式会社(以下吉野石膏)は、石膏ボードの製造を中心に、石膏ボード用目地処理剤(パテ)や、吸音板、セルフレべリング材(流動性の高いコンクリート)、セメントボードなどを製造販売する会社です。また、焼き石膏は医療用ギブスや歯・芸術品・金属などの型にも使われています。
石膏ボード
吉野石膏の石膏ボード(タイガーボード)は、国内シェアトップ(80%)を誇っています。
石膏ボードとは、硫酸カルシウムを主成分とした板で、建材で使われているのは、二水和物(CaSO4・2H2O)です。これを成型し、加熱し脱水したものが石膏ボードです。主に建築物の内装に使われています。合板(ベニヤなど)と比べると、燃えにくく、安価で、施工性が高いですが、脆性が高く割れたり欠けたりしやすいです。また、画鋲やくぎなどが抜けやすいのも特徴です。
建築基準法によって特定の場所や建物は、不燃材料(加熱後20分異常燃焼しない)や準不燃材料(加熱後10分以上燃焼しない)などの使用が義務付けられています。(地域・規模・部屋の用途などによって違う)
そこで石膏ボードの登場です。石膏ボードは、ボード内に結晶水が含まれているため(重量の21%)、加熱しても結晶水が蒸発し温度上昇を防ぎ、燃焼温度にしばらく達さないため、しばらく燃えません。
さらに、コンパネ(木材)よりも安いことから、家の壁や天井には石膏ボードがほぼ全面(壁紙の下)に貼られていることが多いです。(コンクリートなどの場合もあり)ビルなどで天井を見てみると、亀裂のような模様が入った天板も石膏ボードです。
吉野石膏は、通常の石膏ボードをはじめ、耐火1時間の石膏ボード、防水・防かびの石膏ボード、住宅などの構造用(対力面材(住宅などの強度を上げる板))、ホルムアルデヒドを吸収分解するもの、調湿性能があるもの、防湿性能があるもの、制振するもの、吸音する(音の反射を防ぎクリアに聞こえるようにする)もの、電波を遮断するもの、曲面加工のできるもの、などなど性能を持つ石膏ボードを製造・販売しています。
また石膏ボードの技術を使って、歯科用の歯型・金型や、ギプス包帯整形用、造形用(美術品など)、工業模型用、ライン用(グランドなどの白線)などの石膏も製造・販売しています。
天井に使われる石膏ボード(HPより引用)
※ちなみに国内シェア2位は、三重県に本社を置くチヨダウーテ株式会社。
会社名 | 吉野石膏株式会社 |
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ホームページ | http://www.yoshino-gypsum.com/index.html |
本社 | 東京都千代田区丸の内3-3-1(新東京ビル) |
従業員数 | 約900人 |