株式会社村田製作所(以下村田製作所)は、コンデンサや発振子、電源、バッテリー、などの電子機器部品を製造する大手のグループメーカーである。また、村田製作所チアリーディング部(ボールの上に乗ってパフォーマンスするロボット)で、一般の人々にも会社名をとどろかせた。チアリーディング部動画(外部リンク)
積層セラミックコンデンサ(MLCC:Multi- Layer Ceramic Capacitor)
積層セラミックコンデンサにおいて、世界シェアトップ(35%)を誇る。
積層セラミックコンデンサとは、電気を蓄えたり放出したりする電子部品で、電子機器において非常に重要な役割を果たしている。
現在、コンデンサ市場の80%が積層セラミックコンデンサとなっている。
セラミックコンデンサ(HPより引用)
コンデンサは、重要3大パーツの一つで、電源電圧を安定させる・余計なノイズを取り除く、直流と交流の混合信号から交流信号を取り出す、特定の周波数信号を取り出す機能があり、電子機器には絶対に欠かせないものになっている。
村田製作所のセラミックコンデンサは、0.25×0.125mmの極めて小さいものもあり、これは、μm(マイクロメートル(メートル単位の百万分の一))以下の単位(基準寸法)で作られている。(精度はそれ以下)また、セラミックの品質、加工精度により静電容量(電気を蓄えられる容量)が変化するため並大抵の技術では製作できない。
積層セラミックコンデンサとしては国内唯一のJAXA認定メーカーであり、小惑星探査機「はやぶさ」や人工衛星「ひまわり」、国際宇宙ステーションへの無人輸送機「こうのとり」、光海底ケーブル中継局などなど様々な最先端技術のものに使われている。
また、スマホ(約800個)、パソコン、テレビなどの電子機器類をはじめ、自動車、電車など表には見えないが、ものすごい数のコンデンサが取り付けられている。
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ショックセンサ
ショックセンサにおいて世界シェア95%を誇る。中でもノートパソコンのHDDに使われるショックセンサはほぼ100%の世界シェアである。
このショックセンサは、規定以上の衝撃(加速度)感知し電気信号に変える電子部品である。
HDDに使われているショックセンサーの場合、ショックセンサから信号を送りHDDへの書き込みを停止しデータを守る役割を担っている。HDDのディスクとヘッド(書き込むための針のようなもの)の隙間は数十ナノメートル(1㎜の1/10000)単位しかなく、少しでもショックセンサーの反応が遅れヘッドをディスクにぶつけたり、必要ななデータの上に書き込んでしまったら、データが読み取れなくなってしまう。つまり非常に速い衝撃感知性能・信号化が行うことができるのが富山製作所の技術力だろう。
ノートパソコンのほかに、デスクトップPCや、HDDレコーダー、外付けHDD、エアバックシステムの衝撃感知システムなどにも利用されている。
セラミック発振子
セラミック発振子において世界シェアトップ(約70%)を誇る。
セラミック発振子は、マイクロプロセッサなどのデジタル回路におけるクロック信号源である。
これは、メトロノームのようにタイミングを刻む信号を出し、マイクロプロセッサーなどが発するデジタル信号(0と1)の判別するタイミングを指定するものである。これがなかったり狂ったりすると、0から1へデジタル信号が変わる途中で信号を受け取ってしまい0なのか1なのか正しい判断ができなくなってしまう。
クロック信号源には、水晶振動子、セラミック発振子、CR、LCなどがあるが、セラミック発振子は、周波数初期精度が水晶振動子に次いでよく、さらに水晶振動子の1/2の大きさ、安価、高寿命なため広範囲の分野に使われる。
マイクロプロセッサ、テレビ、ビデオ、電装機器、電話機、複写機、カメラ、音声合成装置、通信機器、リモコン、おもちゃなどなどに使われ、現代には欠かせない部品になっている。
セラミック発振子(HPより引用)
SAW(表面弾性波)フィルタ
SAWフィルタにおいて世界シェアトップ(45%)を誇る。
SAWフィルタとは、複数の周波数から特定の周波数を取り出すものである。
これは、周波数によりエネルギー変換効率の違いを利用したものである。電波(信号)が加わることにより圧電体が振動し、その振動が圧電体基盤を伝わり、もう一方の圧電体に伝わる。そうするとその振動が電波となって放出される。この伝わる過程で特定の周波数だけを取り出すフィルターである。
EMI(電磁妨害)除去フィルタ
EMI除去フィルタにおいて、世界シェアトップ(35%)を誇る。
EMI除去フィルターとは、身近な電子機器が発する電波を取り除くものである。
身の回りに電子機器があり、これらの中にはたくさんのデジタル回路が使われている。この回路には高周波の電流が流れているため、この電流が基板パターンやケーブルの中を通ると、これらの経路がアンテナとなって電波が放射される。そのため、近くに別の電子機器があった場合、この電波が別の電子機器に入り込んで悪影響(雑音・電波性能の低下など)を与えることがある。これを周波数特性を用いて解消するのが、EMI除去フィルタである。
Wi-Fiモジュール
Wi-Fiモジュールにおいて、世界シェアトップ(60%)を誇る。
Wi-Fiモジュールとは、受信・信号化・送信まで、通信に必要な機能を埋め込んだ部品。
※シェア率は連結によるもの