塗るだけでいい！壁を壊さずできる断熱材「ガイナ」　日進産業

日進産業の発売する断熱塗料「ガイナ」。これは、驚くべきことに、ローラーや刷毛などで塗るだけでよい断熱材だ。
従来の断熱材は、発砲スチロールや、発泡ウレタン、グラスウール(ガラス繊維)などが使われているが、これは、数cm程度の厚みが必要であるため、内壁と外壁の間に入っている。そのため、断熱材を入れるには、建設時か、大規模のリフォームで内壁を壊さなければならない。したがって、古い住宅などで断熱するのに、低コスト・短期間で断熱できるという、メリットがある塗料なのだ。

ガイナの特徴

ガイナはセラミックとアクリル樹脂でできた水性塗料で、断熱・防音などの効果がある。
年間20％以上の消費電力を削減できるらしい。
表面はすぐ温まり(冷え)、裏面には熱を通さないという性質があり、（ガイナを建物内部（内壁・天井）に塗布し、冬季室内で暖房を使用すると、塗布面の温度が瞬時に上昇し、室内側へ赤外線を効率的に放射することで、暖かい室内環境を創出する。）壁際の寒さ(暑さ)を軽減できる機能も持つ。
耐用年数は、15年～20年。
防火性も高く、加熱開始後20分以上燃焼しない「不燃材」に認定(一般的に使われる石膏ボードの場合12mm以上の厚みが必要)されており、旧型住宅(旧制度)の家の内壁に塗ることによって、火災が発生した場合でも延焼を遅らすことが出来る。
フォースター「F☆☆☆☆」に認定されている。これは内装材に使われる材料のホルムアルデヒドの放散量の性能を示しており、星が4つあれば、使用料の制限がなく使うことが出来る。

ガイナの性能

アルコールランプでフライパンを目玉焼き卵が焼けるくらい熱しても、ガイナが塗ってある方は、触り続けられる。
一斗缶をハンマーで叩くと、他社の塗料の場合約80～100デシベルだが、ガイナの場合65デシベルで、約2/3程度になる。

ガイナのメリット

・暖房、冷房性能の向上(省エネ)
・セラミックを使っているため、紫外線にも非常に強い。
・内壁に塗ることで、紫外線や、雨などによる塗料の劣化が抑えられる。
・壁の結露防止。
・外部→内部または内部→外部の防音機能(反射による防音)
・遠赤外線により空気中の水分子を激しく振動させ、マイナスイオン優位の環境にし、空気中の物質の浮遊防止、消臭効果がある。
・断熱塗料の帯電がなく、壁にほこりなどの浮遊物がつきにくい。
・最上位に当たる不燃材としても使える。
・水性塗料なため、内装に塗っても臭いが少ない。
・塗料のため曲面や角など様々な方にの場所でも塗ることが出来る。

ガイナのデメリット

・セラミックでできているため表面の凹凸が多く、汚れが溜まりやすい。(光触媒塗料であるていど改善できる)
・音を反射する防音機能があるため、内部では音が反射しノイズみたくなる。

JAXA

ガイナはJAXA(宇宙航空研究開発機構)でも使われている。
H-Ⅱロケットの先端部(フェアリング)は、大気圏に突入するとき胴体で一番高温になる部分で、断熱材が不可欠である。その先端部に、ガイナが塗ってあり、内部に積載している人工衛星やロケットの胴体を守っている。さらに、超音速で飛ぶためロケットの先端で衝撃波が生まれるが、1mm～2mmでその衝撃波に耐えることのできる強度も有している。

使用例

前述したロケットをはじめ、大型船舶の甲板、戸建、集合住宅、工場、店舗・テナント、事務所、学校、保育園・幼稚園、老人ホーム、ホテル、クリニック、キャンピングカー、防災シェアルター、馬送車、釣り船、コンテナハウス、牛舎、ATM、バイクのマフラーなど様々な場所に使われている。

実験教室

東京都板橋区坂下2-15-7　富山ビル4Fで平日に1日3回体験教室を行っている。所要時間は、1時間半～2時間程度で、完全予約制。
各種実験を通して、ガイナの性能を体験することが出来る。

主な表彰歴

・省エネ大賞「審査委員会特別賞製品」(2017年度)
事業者や事業場等において実施した他者の模範となる優れた省エネ取り組みや、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰するもの。

・岩谷直治記念賞(2017年3月)
エネルギーおよび環境に関する優れた技術開発で、かつ産業上の貢献が認められている業績を表彰することにより、 科学技術の一層の発展を図り、国民生活の向上に寄与することを目的とした賞。