半導体とは
電気伝導性が導体(電気を通す)と絶縁体(電気を通さない)の中間に位置するものです。通常、導体は温度が上がると電気抵抗値が上がる(電気を通しにくくなる)のに対し、半導体は温度が上がるほど抵抗が下がるという性質を持っています。
半導体には、ゲルマニウムやセレンなどがありますが、不純物(リンやホウ素など)を微量加えたn型・p型半導体の方が実用性が高いため、こちらが一般的に使われています。
電気信号を増幅・発振・スイッチングを行う「トランジスタ」や、電気エネルギーを蓄える「トランジスタ」、整流(交流を直流にする)「ダイオード」などは半導体の原理をもとに作られています。
これらの部品は、「集積回路」という回路に埋め込まれ、様々な機械の制御などに使われます。
メモリー半導体とロジック半導体と大まかに2つに分けられますが、メモリー半導体は、記憶装置として、ロジック半導体は、理論回路(演算目的)として使われます。
この集積回路は、テレビや冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機などの大型家電から、リモコンやイヤホン、時計などの小物まで、電気が使われているものにはすべてに搭載されています。
半導体製造メーカーの世界ランキング(金額)
1位:サムスン電子(韓国)
サムスン電子は、部門売上高7兆4255億円で世界シェアトップです。中でもNAND回路(36%)、DRAM回路(46%)で世界シェアトップです。
”NAND回路”とは、フラッシュメモリーの一種です。電源を切っても記録されたデータは保持されるため、スマホやタブレット、PC、デジタル家電、メモリカードなどに使われます。データの保存容量に関係してきます。
”DRAM回路”とは、「メインメモリー」とも呼ばれ、一時的な記録装置になります。これはスマホやタブレット、PCなどの入力などの操作がある機械などに多く使われています。このよう量が大きければ、重い制御が快適にできるようになります。
2位:インテル(アメリカ)
インテルは、半導体全体では世界第2位ですが、CPUに関しては覇者と呼ばれており、PC用CPUは、ダントツで世界シェアトップです。売上高も6兆8283億円となっています。
CPUとは、「中央演算処理装置」とも呼ばれ、パソコンなどからの入力に対し、演算(計算)し結果を出します。その結果を画面などに表示させます。簡単に言えば人間の脳と同じような役割を持っています。
3位:SKハイニックス(韓国)
SKハイニックスは、世界第3位で、韓国国内ではサムスン電子に次いで第2位の半導体メーカーです。サムスン電子と同じくNAND回路、DRAM回路が主力製品です。
NAND回路において、世界シェア10%で世界第4位です。
DRAM回路において、世界シェア26%で世界第2位です。
4位:マイクロン・テクノロジー(アメリカ)
マイクロン・テクノロジーは、アメリカ唯一のDRAMメーカーで売上高2兆2110億円で世界第4位です。研究開発では、世界(の全企業)トップクラスの投資をしている会社です。
NAND回路において、世界シェア11%で世界第5位です。
DRAM回路において、世界シェア20%で世界第3位です。
5位:クアルコム(アメリカ)
クアルコムは、売上高2兆4252億円で世界第5位です。同社は創業以来、ファブレス(工場を持たない)企業です。
スマホ・形態の普及につれCDMA(同一の周波数帯域内で複数の通信を行う技術)のチップ製造で世界トップです。
6位:ブロードコム(シンガポール・アメリカ)
ブロードコムは、売上高1兆9187億円で世界第6位です。こちらもクアルコムと同様ファブレス企業です。
同社は、ネットワーク関連製品(サーバーやモデムなど)やネットワーク機器(ルーターなど)の関連製品やブロードバンド向け半導体などを製造しています。
7位:テキサス・インスツルメンツ(アメリカ)
テキサス・インスツルメンツは、売上高1兆6277億円で世界第7位です。
同社は、アナログIC(音などアナログのものをデジタル信号に変える半導体)および組み込みプロセッサ(家電などに組み込まれるシステム)を主に開発設計・製造しています。特にアナログ半導体は、売り上げの50%を占めています。
8位:東芝(日本)
東芝は、部門売り上げ2兆0064億円で世界第8位です。
同社はNAND回路において世界シェア19%で第2位です。
9位:ウエスタンデジタル(アメリカ)
ウエスタンデジタルが、世界第9位です。
同社はハードディスクとフラッシュメモリーを主に製造しています。特にハードディスクの製造では大手の企業です。東芝メモリと四日市工場を共同運営しています。
10位:NXPセミコンダクターズ(オランダ)
NXPセミコンダクターズは、売上高1兆0070億円で世界第10位です。同社はフィリップスの半導体部門が分離した会社です。
同社は特に自動車向け半導体に強く、車載用半導体は首位です。この半導体は、ECU(車の制御コンピューター)同士をつなげたり、オーディオや、イモビライザーに使われているものです。
※売上高と順位が一致しない理由は、その金額に関連製品なども含まれていて、半導体のみではないからです。
DRAM回路の世界シェアランキング
1位:サムスン電子[韓国](46%)
2位:SKハイニックス[韓国](26%)
3位:マイクロン・テクノロジー[アメリカ](20%)
4位:ナンヤ[台湾](3%)
5位:ウィンボンド[台湾](2%)
6位:その他(3%)
NAND回路の世界シェアランキング
1位:サムスン電子[韓国](46%)
2位:東芝[日本](19%)
3位:ウエスタンデジタル[アメリカ](16%)
4位:マイクロン・テクノロジー[アメリカ](11%)
5位:SKハイニックス[韓国](10%)
6位:その他(8%)
出典 | 四季報(2017年のデータ) |
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