今現在、飲食業界での人手不足は非常に深刻です。労働人口が減ってきているため、社員もアルバイトもパートも集まらない。人が集まらないため、現従業員が負担する。そうすると「ブラック」と言われ、入ってきた人はすぐに離職する。さらに現従業員がしわ寄せするといったように悪循環になっていきます。
これは「どうしようもないと」思われがちですが、いくつか気を付けるだけでそれなりに改善していきます。働き手は仕事を選んでいるのです。つまり、よりいい環境なら働いてくれるのです。
以下では、お金をかけないで(投資も全くなし)、人手不足をどうやって解消していくのかを述べていきたいと思います。
1. 人手不足の原因
1-1. 低賃金
1-2. 接客
1-3. 従業員同士
2. 人手不足対策
2-1. 「お・ひ・た・し」
2-2. 承認欲求
2-3. 達成感
2-4. 従業員を丁寧に扱う
3. まとめ
人手不足の原因
低賃金
何といっても一番最初にくるのはこれでしょう。
飲食業は、ある程度の能力さえあれば、調理接客ができるため、チェーン店(大集向けのお安め店)になればなるほど、技術料は多くとれません。そのためアルバイト・パートには高くても1000円程度の時給になってしまいます。しかも繁盛期・時間になれば、かなり仕事に追われます。飲食業界以外でアルバイト・パートを探してみると、千数百円のアルバイトが沢山あります。簡単に言えば、多労働で低賃金なのです。
今現在の若い人は、「楽してお金を稼ぎたい」という考えを持っている人が多くなってきています。そのため、繁忙期・時間の仕事量で低賃金だと「割に合わない」と考える人が多いようです。したがって応募の量が少ないのです。
接客
「お客様は神様」という考えのお客さんがいるため何かあったら罵声を浴びさせられたり、文句を言われたり、ウザがらみされたりと、従業員が嫌な思いすることが多いです。(特にお酒が入ったとき)
さらに嘔吐物の処理などの、(悪く言えば)汚い仕事もしなくてはいけません。
「愛想があって丁寧な接客」を求められているため、無理もしなくてはいけないのです。そのため不人気なのです
従業員同士
低賃金な上「ブラック」というイメージが根強いため、優秀な人材が集まりにくく、ちょっと悪い癖のある人が多いです。怒鳴る人・ぶつぶつ文句を言う人・アルバイト・パートを放置する人・丁寧に教えてくれない人・自分の力量が基準でものを申してくる人、自己流の人などなどです。一つのミスで怒鳴ったり、人格を否定されたりしたら、言われた方の人は不満しか出てきません。そうなれば長く続かず離職してしまうでしょう。
人手不足対策
飲食店の低賃金はどうしようもありません。そこで従業員の改善、仕事にやりがいを作って離職率を下げることが重要です。また、上司の言動については、とても重要で、上司が優しくなかったり、怒鳴ったりする人では、みなさん嫌ですよね?親身になってくれる上司には、必ず人がつきます。人がつくということは、離職者を減らすことになり、人手不足が解消されるのです。
「お・ひ・た・し」
まず初めに、「お・ひ・た・し」です
「お・ひ・た・し」という言葉は知っていますか?「怒らない・否定しない・助ける・指示する」です。
「怒る」=感情に任せるということです。誰もがミスしたくてミスをしているわけではありません。つまり感情に任せて怒ってもその問題は解決しないのです。そこで、ミスを防ぐため、「報告してね」や「聞いてね」など諭すことが重要です。しかし、報告されたり、聞いてきたりした答えに、「そんなことも分からないの?」や無視などはいけません。報告・聞く気をそいでしまい、同じようなことを繰り返してしまいます。
「否定しない」これは、上司が部下を否定する場面は少なからずあるものです、しかし冒頭から否定してしまうと、相手はネガティブな感情を持ってしまいます。しっかり相手の意見を聞き「しっかり聞いてくれているんだ!」という感情を植えつけることが大切です。人格を否定するのは絶対に厳禁です。
「助ける」これは言葉の通りです。部下が何か悩んでいたら「どうしたの?」と聞いたり、仕事に追われていたら手伝ってあげてください。「どうしたの?」と聞くことで、「親身になってくれてる」とおもいます。部下が仕事に追われていたとき、上司が暇していたら、部下の不満が貯まります。
「指示する」も言葉通りです。指示と言ってもぶっきらぼうな指示やあいまいな指示ではだめです。支持する相手の力量に合った内容を、正確に詳しく指示する必要があります。このような指示ができない場合は、部下に不満が貯まってしまいます。
承認欲求
次にについてです。
承認欲求とは、人から認めてもらいたいという欲求です。誰もが「すごいですね」と人から認められると嬉しいものですよね。そこで上司に部下を褒めるように言ってください。
例えば「こんなこともできるようになったんだ!」や「すごく成長したね」などです。褒めるとこがなければ、無遅刻無欠勤や健康体などの些細なことを褒めてもいいです。できるだけ努力過程を褒めたほうが効果は良いです。
上司に認められお褒めの言葉を頂いたら、また認めてもらおうと努力する上、仕事にやりがいを感じるようになります。仕事にやりがいがあれば低賃金でも働いてくれ、離職率も下げることができるのです。
達成感
仕事に対し達成感も非常に重要です。仕事に対し達成感があるということは、仕事にやりがいがあるという意味になります。やりがいがあれば低賃金でも働いてくれ、離職率が下がります。
従業員に達成感を与えるには、新しい仕事を与え、目標(クオリティーなどの)を達成させることが重要です。力量から超え過ぎていると目標達成ができなくなり意味はありません。今現在の力量の少し上の仕事を与え、目標を達成すれば、「できた」や「成長した」の達成感を得ることができます。
新入りの頃は特に達成感を得ることができるので、新しい仕事をどんどん与え、目標達成をしていけば、早期離職を防げます。
従業員を丁寧に扱う
最後に人を丁寧に扱いましょう。
まず命令はNGです。誰もが優しい言葉のほうがいいはずです。例えば「やっておいてくれる?」などと言いましょう。命令ばっかりの人に人はつきません。
次に「ありがとう」を必ず言いましょう。些細なことでもいいです。知らない人に落とし物を拾ってもらったりした場合お礼を言いますよね?その感覚です。やってもらったら「ありがとう」と。そうすればやって良かったと思い、またやってくれるようになります。
最後に、一人一人を尊重しましょう。いくら年下で、アルバイト・パートでも、人は人です。仕事が楽しければ、仕事をやりますし、楽しくなければ離職してしまいます。そこで、人の話はしっかり聞き、それに対する答えはしっかりとしたものにしましょう。そうすることで、コミュニケーションが生まれ、離職率低減につながります。
まとめ
低賃金でもしっかりした上司には人がつきます。上司には、「部下の意見をしっかり聞く」「丁寧で的確な指示を出す」「仕事をまかせる」ということが求められています。これができる上司はその部下が「上司がやめるときは自分もやめる」とまで言う人がいます。つまり飲食店の人手不足は会社の責任でもありますが、上司(店長)の責任でもあるわけです。
上司がしっかりとした、いい上司になることで、離職率は大幅に軽減でき人手不足は改善するのです。